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> ニュース一覧 > 「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.41・・・強力メディア、バスのお供はシアトルの2大紙(ライクス)- 2018.01.25(木) 10:00

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「43歳から始める女一人、アメリカ留学」No.41・・・強力メディア、バスのお供はシアトルの2大紙

ライクス

2018.01.25(木) 10:00

ストレンジャーの作成する「投票カンニングシート」

 大きなバス停のそばには、必ず設置してあるのがシアトルの2大フリーペーパー、「シアトル・ウィークリー」と「ザ・ストレンジャー」を入れる鉄の箱。毎週水曜刊行で、多くのシアトル市民が楽しみにしている。
 どちらも西海岸、シアトルらしいリベラルな論調が特徴で、とりわけ「ストレンジャー」は同性愛者の権利を強く主張する論陣を一貫して張っている。
 フリーペーパーに「論調」、というと、日本のおしゃれカフェなんかにおいてある、まったりとしたフリーペーパーに馴染みのある人には、また大げさなと思われそうだが、この2大紙の誌面作りは、骨太だし、自分たちの主張に基づいた品格があって、「論調」と呼ぶのがふさわしい。
 今週号は、どちらも、とりわけ面白かった。
 ストレンジャーは、選挙の前に展開する「選挙特集」がうりもので、今週はまさにその号。8月16日投票の地方選や住民投票を要する項目について、編集部の視点で、「この法案は可決すべき」「キング郡議はだれ」「シアトル市議はだれ」「シアトル市教育委員会はだれ」と、具体的に推薦候補リストを掲載。編集部のウェブサイトをみると、その理由がシンプルに記されている。

 たとえば、「退役軍人のためのサービスに不動産オーナーから課金する政令を更新するかどうか」。
 ストレンジャーの意見はこうだ。
「賛成しよう。この制度は、不動産オーナー1人から平均で年17ドルを徴収するもの。たとえあなたが戦争には反対であっても、国のために奉仕した退役軍人が、街でホームレスになり、空腹で怒りをためていたりは、して欲しくないはずだ」
 群議については、「さえない候補に見えるがマクダーモンに投票しよう。他の候補たとえば、Aは「同性愛結婚を議題にしようなんて考えたことがない」といった問題発言があった。しかし彼は、10年間勤めた州議の間に、南公園の橋の架け替え法案を通したり、昨年11月に空席ができて群議に当選してからのわずかな期間に、彼は、郡内の大きな川の利用者にライフジャケット着用を義務づけるため尽力する、といった功績を残している」
 といった具合だ。
 不動産オーナーから年17ドルの課金、とか、川でライフジャケット着用、とか、地方政治サイズの話題である。でも、編集部の視点に同意するかどうかは別にして、こうした事実を記述する媒体があるおかげで、シアトル市民は、地元政治を具体的に理解するものさしを得られる。
 私に投票権があるわけではないけれど、自分の住む街がどう動こうとしているのかが分かるのは、面白い。自分の怠慢のせいが大だが、東京都杉並区に住んでいた時には、選挙公報をちらっと見るくらいで、具体的な区議候補に興味をもったためしは、まずなかった。
 対する「シアトルウィークリー」の方は、「読者投票によるシアトルのベスト2011年版」。「食べ物」のカテゴリーでは、ベスト寿司店、ベスト飲茶といった定番から、マニアックにもベストホットドッグ、ベストカップケーキ、ベストベーグルまで。「人と場所」では「ベストマリナーズ選手」(もちろんイチロー)、「ベスト公園」にはじまって「最初のデートでいくべきベストな場所」「独身男性にであうベストスポット」「スローダンスを踊るのにベストな場所」など、項目のユニークさにもにやっとさせられる。
 収入源であろう広告は、レストランや映画等の”常識的”なものもあるが、風俗店や個人営業らしき裸の男女の写真の踊るものが多く、目のやり場にこまる。といいながらも、本文のあまりの面白さに、私はこれまで何度も、バス停を乗り過ごしてしまっている。
 今回は紹介できなかったが、記者によるルポも、日刊紙顔負けに素晴らしい回が多々ある。タダで入手できるこのクオリティ、市民の世論形成にあなどれない影響力をもっているだろうと推測する。




フリーライター
長田美穂さん(ながた みほ、1967年 - 2015年10月19日 )
1967年奈良県生まれ。東京外国語大学中国語学科を卒業後、新聞記者を経て99年よりフリーに。
『ヒット力』(日経BP社、2002年)のちに文庫 『売れる理由』(小学館文庫、2004年)
『問題少女』(PHP研究所、2006年)
『ガサコ伝説 ――「百恵の時代」の仕掛人』(新潮社、2010年)共著[編集]
『アグネス・ラムのいた時代』(長友健二との共著、中央公論新社、2007年)翻訳[編集]
ケリー・ターナー『がんが自然に治る生き方』(プレジデント社、2014年)脚注[編集]

[電子書籍]
43歳から始める女一人、アメリカ留学 上巻
上巻
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/209499

下巻
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/209500

問題少女 第1巻〜最終巻
http://www.dlmarket.jp/product_info.php/products_id/215228


株式会社ライクスより
末期ガンと聞いていましたが、2015年10月19日に亡くなられたことを知りました。
知人の紹介で福島市内で会ったのが出会いでした。とても素直な感じの素敵な女性だったと記憶しています。アメリカに勉強しにいくと聞いでアメリカ通信を書いてというのが「43歳から始める女一人、アメリカ留学」の始まりでした。電子出版を出したいという長田さんの思いは、今の世に少しでも痕跡を残したいとの思いだったのかもしれません。
売り上げは、全て長田さんの仏花とさせていただきます。
ありがとうございました。

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